About SPEC'S

Stock Cars

Shop Information

930 カブリオレ レストア車両

ポルシェ911第2世代

1974年のGシリーズからH、J、Kと1989年まで生産された新しいバンパーデザインで設計された世代を言います。第2世代には、いくつかの興味深いスペシャルモデルがありました。その中の1台が、今回ご紹介するM491オプションのワークスターボルック(WTL)と呼ばれるモデルです。自然吸気エンジンの車両に、ワイドフェンダーとテールトレイのターボの外観スタイル車両です。変更は外観だけにとどまらず、高剛性のサスペンション、ターボブレーキ、ワイドホイールを装備しエンジン性能をシャーシ性能が確実に上回るポルシェ理念を象徴する内容になっています。リアのテールトレイスポイラーは、キャンセルが無償オプションで、今回の車両には装着されていません。

生産台数:3,572台 カブリオレ:1,684台

”Ground up Restored”

ドイツ本国のビルダーによって、ゼロから復元された車両です。エンジンは勿論、ギアボックス、サスペンション、内装、外装、構成パーツの80%以上に新品純正部品を使用し、出荷時の状態に再現されています。

 

ポルシェ911第2世代

1974年のGシリーズからH、J、Kと1989年まで生産された新しいバンパーデザインで設計された世代を言います。第2世代には、いくつかの興味深いスペシャルモデルがありました。その中の1台が、今回ご紹介する250万台記念モデル”ジュビリーエディション”です。特別なエクステリアとインテリアが与えられ、ダイヤモンドブルーメタリック、カラーマッチされたフックスホイール、内装はシルバーブルーと非常に凝った内容になっています。電動シート、ショートシフトレバー、スポーツッサスペンション高級カーペット。

生産台数:875台 Engine:3.2L Aircooied Flat6 Power:231bhp/5900rpm Torque:209ft lbs/4800rpm

“Ground up Restored”

ドイツ本国のビルダーによって、ゼロから復元された車両です。エンジンは勿論、ギアボックス、サスペンション、内装、外装、構成パーツの80%以上に新品純正部品を使用し出荷時の状態に再現されています。

991Carrera 前期型


ダウンサイジングした991カレラの3.4Lエンジンはどうだ?

911の歴史の中で、モデルが新しくなったにも関わらず、エンジン排気量をダウンサイジングしたのは二度あった。

最初は、993カレラの空冷3.6Lから996カレラ前期型の水冷3.4Lとなったとき。そして、二度目が今回。997カレラの水冷3.6Lユニットは、991カレラで水冷3.4Lとなったのだ。

果たして、新しく搭載された991カレラの3.4Lエンジンの実力はどんなものだろうか⁉ また、991ボディ&シャシーとの相性は⁉

見ていてワクワクする

 タイプ991が誕生した。

 もともと高性能さと実用性という相反することを高次元で両立させてきたのが、ポルシェの技術力だった。今回の991でも、これまでのように新しい技術によりそれを両立してくれているに違いない。そう期待しつつ、991カレラをテストしたい。

 991のエクステリアは997に比べよりフロントがワイドになり、伸びやかなやや低いシルエットになった。フロントトレッドがカレラでは46mm拡げられ、ホイールベースはカレラ、カレラSとも100mm延長されている。低くワイドになったシルエットは、見ていてワクワクしてくるもの。991からはカレラに19インチホイールが標準装備されたので、リアタイヤの「ハリ」もいい感じだ。

 ボディはアルミとスチールのハイブリッドになり、45kgの軽量化(997カレラ比で)を成し遂げた。実際には、ボディとエンジンその他の軽量化、さらに安全装備や燃費効率化装備、ホイールベース延長の重量増を差し引いての数値なので、ボディとエンジン単体の軽量化(約98kg)はかなり大きい。軽量化は即燃費に影響してくる。と同時に、ハンドリングや動力性能のパフォーマンスも向上する。これは大歓迎だ。

 さて、もっとも気になるエンジンだが、991カレラは3.6Lから3.4Lにダウンサイジングされた。最高出力は、997カレラの345㎰/6500rpm→350㎰/7400rpmの5㎰アップへ。最大トルクは、39.8㎏・m/4400rpm→39.8㎏・m/5600rpmと同じだ。ここで興味深いのは3.6Lに比べ、最高出力が900rpm、最大トルクが1200rpm高い回転で得られていること。そして、レブリミットが300rpm引き上げられていることだ。動力性能は、0-100km/h加速は997カレラ後期型が4.7秒なのに対し、991カレラは4.6秒。最高速は287km/hでまったく同じ。ちなみに、燃費と二酸化炭素排出量は16%減を達成した。

 インテリアは、パナメーラのような雰囲気とカレラGTのようなハイマウントなセンターコンソールを持つ。試乗車には、オプションのパドルシフトのステアリングホイールが装着されていた。スタンダードなPDKのスライドスイッチは、どっちが「∔」でどっちが「-」だったか一瞬戸惑うので、僕は断然こちらの方がいい。これが、標準装備にならないのが不思議なぐらいだ。

 運転席からの景色は、ダッシュボードの奥行きが長くなったことに気づかされる。サイドミラーの取り付け位置が変わり、タイトコーナー旋回時は見やすくなった。それでは走りだそう。

997GT3並みのいい音

 高速道路を60から80㎞/hの速度で走行中、最初に感じたことは991カレラの素の脚の乗り心地のよさ。19インチタイヤにも関わらず、路面の継ぎ目の凹凸がまったく気にならない。可変ダンパーのPASM「ノーマル」とは違い、柔らかいということもない。これはサスペンションの違いなのか、ホイールベースが長くなったせいなのか。直進安定性は抜群で、これまでの911とは明らかに違う。スピードが上がっても、フロントの接地感が落ちない。ブレーキング時の安定感もいい。

 車線変更時のステアリングの応答性も、997カレラ後期型とは明らかに違う。切り始めの応答がよく、ニュートラルな位置に遊びがない。にも関わらず、敏感過ぎない。991からパワーステアリングが油圧式から電気式に変更されたが、その目的は燃費を助けるためだ。しかし、そこはポルシェ。電子制御プログラムが、素晴らしく、チューニングも申し分ない。実はこの「電動パワステ」は、僕がGTレースで走らせた99年993GT2Rや00年996GT3Rですでに使われていたもの。実績は十分なのだ。

 エンジン回転数は、巡航時7速1700rpmが100km/hになる。しかし、このときアクセルの反応はほとんどなくなり、こんな状態はストレスが溜って仕方がない!7速と6速の回転差は約800rpm。シフトダウンして6速2500rpmで、やっと自由が戻った気がする。欲を言えば、3000rpmは回しておきたい。そうすれば、十分いいレスポンスが得られるからだ。

 PDKとの相性を調べるために、空いた道のコーナーで加減速を繰り返してみた。エンジンとトランスミッションのダイレクト感はバツグン。PDKそのものも、997後期型の初期モノとは比べ物にならないほど良くなっている。

 スポーツスイッチの「ノーマル」モードでは、エンジン音の盛り上がりが静かなためにシフトのタイミングを計りにくく、タコメーターに目をやっている時間が長くなった。「スポーツ」モードにすれば、排気音、エンジン音が元気になるため、音を聞きながらリズムよく変速できる。しかも、それが997GT3並みの気持ちのいい音がするので、ついついその気になってしまう。ただ、レッドゾーンまで一気に回るエンジンのトルク感、シフトダウンして回したくなるようなレスポンスの鋭さは、やや物足りない。これは、ギアレシオとエンジンの特性がそうさせているのかもしれない。

 ポルシェとしては、3.4Lエンジンを高回転型に振ったとはいえ、低回転域での実用性もおざなりにできなかったはず。その意味では、この3.4Lユニットは、文句なしのデキだ。出力、トルクだけでなく燃費の向上にも成功したのだから、ポルシェの高い技術力を証明したと言ってもいい。

 技術の進化がある限り、911は911であり続け、またその存在意義も失われないに違いない。

                                                  (参考文献 911DAYS vol.48 2012 SUMMER)